河合のホウキモロコシ
2013年11月10日
秋も深まった11月、常陸太田市の南端、久慈川と里川が合流する下河合地区に、この地で300年続く「河合のほうき」の制作者である横山さんご夫妻を訪ねました。下河合は広々とした水田と畑が2本の清流の間に広がる広々とした里です。現在でも肥沃な土壌を活かしたネギなどの野菜作りが盛んな土地です。
横山さんは、最盛期には50軒以上がほうき作りをしていたという、ほうき作りの最後の伝承者、85歳と75歳のご夫婦です。
約300年ほど前に栃木県からほうき作りが伝わり、この地の農家の冬場の仕事としてほうき作りが営まれてきました。夫婦の共同作業で、力がいる元の部分を編むのは夫の、中ほどの飾り部分は妻の仕事です。また、妻はほうきの行商も行っており、常陸太田市内はもとより遠く福島県までお得意様がいたそうです。
この地のほうき作りの特徴は「種から育てるほうき作り」です。代々受け継いだホウキモロコシ(地元ではホウキグサと呼ぶ)の種を6月下旬に畑にまきつけ、暑い夏を超えて穂を出した穂先を9月下旬に刈り取ります。正確には穂先を一本づつ折り取るそうです。株間の広さで穂の太さが変わるので、ほうきの用途によって株間を調節するそうです。また、以前は品種も何系統かあって、穂先が固いもの、柔らかいものなど、作り分けていたようですが、現在は横山家に伝わる黒種の品種しか残っていません。10アールの作付で約200本の座敷ほうきができるそうです。
ホウキモロコシはイネ科の一年草で、近縁に雑穀のモロコシ、緑肥作物のソルゴーなどがあります。いわゆる「コキア」はアカザ科のホウキギという植物で、ホウキモロコシとは全くの別種です。私は農業を営んでいるので、分けて頂いた種を来年は畑に播いてみようと思います。
刈り取ったホウキモロコシの穂先は、種を脱穀してから長さをそろえてから大釜で煮ます。その後天日に干してから、ほうきを作る晩秋まで保存します。この作業を行うことで丈夫で長持ちするほうきが出来上がります。
横山さんは元気はつらつな方で、農業の傍ら続けて来られたほうき作りを明るく楽しく説明してくださいました。言葉の端々からほうき作りへの愛情がにじみます。以下、インタビューの一部です。
あと何年続けてくれるのか。。。技術を受け継ぐのなら「いまでしょ!」と、マジで思いました。
12月にもう一度ほうき作りの見学に伺います。興味がある方は「種継ぎ人の会」ご連絡ください!!
(布施大樹)
横山さんは、最盛期には50軒以上がほうき作りをしていたという、ほうき作りの最後の伝承者、85歳と75歳のご夫婦です。
約300年ほど前に栃木県からほうき作りが伝わり、この地の農家の冬場の仕事としてほうき作りが営まれてきました。夫婦の共同作業で、力がいる元の部分を編むのは夫の、中ほどの飾り部分は妻の仕事です。また、妻はほうきの行商も行っており、常陸太田市内はもとより遠く福島県までお得意様がいたそうです。
この地のほうき作りの特徴は「種から育てるほうき作り」です。代々受け継いだホウキモロコシ(地元ではホウキグサと呼ぶ)の種を6月下旬に畑にまきつけ、暑い夏を超えて穂を出した穂先を9月下旬に刈り取ります。正確には穂先を一本づつ折り取るそうです。株間の広さで穂の太さが変わるので、ほうきの用途によって株間を調節するそうです。また、以前は品種も何系統かあって、穂先が固いもの、柔らかいものなど、作り分けていたようですが、現在は横山家に伝わる黒種の品種しか残っていません。10アールの作付で約200本の座敷ほうきができるそうです。
ホウキモロコシはイネ科の一年草で、近縁に雑穀のモロコシ、緑肥作物のソルゴーなどがあります。いわゆる「コキア」はアカザ科のホウキギという植物で、ホウキモロコシとは全くの別種です。私は農業を営んでいるので、分けて頂いた種を来年は畑に播いてみようと思います。
刈り取ったホウキモロコシの穂先は、種を脱穀してから長さをそろえてから大釜で煮ます。その後天日に干してから、ほうきを作る晩秋まで保存します。この作業を行うことで丈夫で長持ちするほうきが出来上がります。
横山さんは元気はつらつな方で、農業の傍ら続けて来られたほうき作りを明るく楽しく説明してくださいました。言葉の端々からほうき作りへの愛情がにじみます。以下、インタビューの一部です。
あと何年続けてくれるのか。。。技術を受け継ぐのなら「いまでしょ!」と、マジで思いました。
12月にもう一度ほうき作りの見学に伺います。興味がある方は「種継ぎ人の会」ご連絡ください!!
(布施大樹)