第一回 娘きた栽培会 工場見学
2016年2月29日
日時:2月27日(土曜)14時30分~17時30分
参加者:生産者12名、農政課1名、計13名
亀印製菓株式会社 本社および製菓工場(お菓子夢工場:水戸市見川町)に工場見学に行ってきました。
昨年、種継人の会の活動として、常陸太田市内に住む16軒の農家による「むすめきた栽培会」が結成されました。種まき、管理、収穫、選別をし、亀印製菓さんに740kg強の「むすめきた」を納品させて頂きました。12月には東京のテナントにて「娘きた笑福饅頭」として、「むすめきた」を使った製品の試販売も始まりました。自分たちで育てた小豆がどのような会社、どのような工場で作られているのかを知ることによって、栽培の励みになり、また、この小さな取り組みが常陸太田市在来種や栽培仲間と共に大きく羽ばたいていくイメージを持っていただければという想いから企画させて頂きました。
農政課にお願いしてバスを出して頂き、里美地区ふれあい館にて12時半集合、13時に金砂郷地区の生産者を乗せ、車内で各自自己紹介をしつつ、皆で亀印製菓さんに向かいました。
亀印製菓株式会社は、1852年創業の老舗の菓子メーカーであり、現在8代目です。水戸に工場があり、従業員は約300名、店舗は茨城県内29軒、東京1軒です。衛生管理にも力を入れており、2014年には茨城県が認証する安全基準「いばらきハサップ」を取得しました。常陸太田市内には2店舗あり、今年度新しくできる、常陸太田道の駅内にも出店予定です。常陸太田市産の巨峰、ゆずを使った、ブドウ羊かん、ゆず羊かん、赤しそを使った、水戸の梅(県北限定)も製品化されています。
到着後、地域事業推進部取締役部長 小栗さんに出迎えて頂き、本社の会議室に招かれて、亀印製菓さんの会社説明、工場の概要説明、むすめきた製品に対する思い等を聞かせて頂きました。小栗さんには、「在来種と言う点で、栽培や収穫等の大変さは理解しているつもりです。『むすめきた』で作る製品は、安物ではなく、ブランド力を高める商品にしたい。」とおっしゃっていただき、嬉しく感じました。
皆の目の前に、「娘きた笑福饅頭」が用意されており、栽培者の方々は自分の作物からできた製品との初対面に、それぞれが感嘆の声をあげながら食べていました。感無量です。
一通り小栗部長からの説明や試食が終わると、次は工場に入る際の注意事項等を品質管理担当の方から伺いました。一度に6人までしか入れないため、工場見学とお菓子博物館見学に別れ、交代で見学する事になりました。工場へ入る前に体温を測り、体調等を確認した後、帽子、マスク、白衣、長靴を付けて工場へ入ります。持ち込む物をビデオで撮影し、異物混入などを防ぐための置き忘れ防止対策をします。工場入口に品質管理の方がいて、白衣の上から粘着ローラーをかけられ、手の爪、汚れをチェックされ、ブラシで手を洗ってから、アルコール消毒し、エアーシャワーの部屋を通り工場に入ります。
工場は合理的な動線の元、餡を作る部屋、饅頭を作る部屋、洋菓子作業場、箱詰め等々、作業別・製品別に別れており、きれいに管理されていました。掃除が徹底されています。8時間働く中で、6~7時間程度が製造で、1~2時間は朝、昼、休憩後、夕方を含めた片づけ掃除になるそうです。1つの製品に異物が入ってしまったら、たとえ工場としては10万個の製品の中の1つだとしても、購入されるお客様にとっては1つ中の1つですから、それはあってはならないという気持ちで作業をしているそうです。
私たちが見学している時も、粘着ローラーを持った方が作業をしている方の背中をコロコロしており、聞いたところ、1日3回品質管理の方が不定期にまわっているそうです。どんなに気を付けても作業している時、毛等が落ちるかもしれないのでそれを防ぐためだそうです。そこまでするのかと驚きです。餡を煮る窯はとても大きく見せて頂いた物は一回で150kg作れるそうで、餡子の量か小豆の量か聞き忘れましたが、小豆の量だとしたら、今回の私たちの生産量では5回で終わってしまう計算です。
また、工場と言ってもお菓子を製造する過程では、昔ながらの手作業も多く見受けられました。
“吉原殿中”製作現場。テーブルの上で4~5人の方が手作業で作ります。
“水戸の梅”製作現場。 シソの葉に餡を入れているところ。塩漬け、水洗い、味漬け、絞り後の絡まったシソの葉を、破れないように破れや大きさ・裏表を確認しながら茎を切って並べるのは、やはり人でないと難しいそうです。
“水戸の梅”に使う、塩漬けした赤しそを冷水で洗っています。大変そうです。
皇居、成田空港、羽田空港、茨城空港でしか手に入らない、“皇居外苑どら焼き”を箱づめしていました。
本来、工場見学は、製品に何かあるといけないので、2階の博物館から見る以外は、極力やらないようにしているそうです。今回は原料生産者と言う事で特別に許可して頂きました。ありがとうございます。
工場見学の後は、着替えて、“お菓子の博物館”を案内していただきました。
世界の色々なお菓子の説明や、日本のお菓子の歴史等々興味がわきます。
特に、この懐かしの昭和コーナは私の琴線に触れました。
最後に本店店舗で、小栗部長に商品説明を受けたり、お土産を購入し亀印製菓さんを後にしました。
今回、工場見学をさせて頂き、亀印製菓さんは思っていた以上に素晴らしい会社だなあ、と思いました。小栗部長をはじめ社員の方たちの製品に対する思いや、衛生に対する考え方、また社員さん達の活気なども肌で感じることができました。私達の取り組みも理解していただき、焦らず誠実にコツコツと一緒に作っていこうという静かな意気込み、包容力を感じました。私たちも、品質をきちんと保ちながら、常陸太田市在来種を育てていく仲間を増やし、常陸太田の特産品の一つとなり、子どもたちに在来種を残せる様に、また地域を盛り上げていく一つの要因になれればと思いました。生産者の方々と製菓現場を見学でき、やっと最初の小さな一歩を踏み出せた気がしています。
最後に、いろいろ用意や準備をしてもらった、亀印製菓さん、農政部販売流通対策課の方々に感謝いたします。
ありがとうございました。
北山 弘長
参加者:生産者12名、農政課1名、計13名
亀印製菓株式会社 本社および製菓工場(お菓子夢工場:水戸市見川町)に工場見学に行ってきました。
昨年、種継人の会の活動として、常陸太田市内に住む16軒の農家による「むすめきた栽培会」が結成されました。種まき、管理、収穫、選別をし、亀印製菓さんに740kg強の「むすめきた」を納品させて頂きました。12月には東京のテナントにて「娘きた笑福饅頭」として、「むすめきた」を使った製品の試販売も始まりました。自分たちで育てた小豆がどのような会社、どのような工場で作られているのかを知ることによって、栽培の励みになり、また、この小さな取り組みが常陸太田市在来種や栽培仲間と共に大きく羽ばたいていくイメージを持っていただければという想いから企画させて頂きました。
農政課にお願いしてバスを出して頂き、里美地区ふれあい館にて12時半集合、13時に金砂郷地区の生産者を乗せ、車内で各自自己紹介をしつつ、皆で亀印製菓さんに向かいました。
亀印製菓株式会社は、1852年創業の老舗の菓子メーカーであり、現在8代目です。水戸に工場があり、従業員は約300名、店舗は茨城県内29軒、東京1軒です。衛生管理にも力を入れており、2014年には茨城県が認証する安全基準「いばらきハサップ」を取得しました。常陸太田市内には2店舗あり、今年度新しくできる、常陸太田道の駅内にも出店予定です。常陸太田市産の巨峰、ゆずを使った、ブドウ羊かん、ゆず羊かん、赤しそを使った、水戸の梅(県北限定)も製品化されています。
到着後、地域事業推進部取締役部長 小栗さんに出迎えて頂き、本社の会議室に招かれて、亀印製菓さんの会社説明、工場の概要説明、むすめきた製品に対する思い等を聞かせて頂きました。小栗さんには、「在来種と言う点で、栽培や収穫等の大変さは理解しているつもりです。『むすめきた』で作る製品は、安物ではなく、ブランド力を高める商品にしたい。」とおっしゃっていただき、嬉しく感じました。
皆の目の前に、「娘きた笑福饅頭」が用意されており、栽培者の方々は自分の作物からできた製品との初対面に、それぞれが感嘆の声をあげながら食べていました。感無量です。
一通り小栗部長からの説明や試食が終わると、次は工場に入る際の注意事項等を品質管理担当の方から伺いました。一度に6人までしか入れないため、工場見学とお菓子博物館見学に別れ、交代で見学する事になりました。工場へ入る前に体温を測り、体調等を確認した後、帽子、マスク、白衣、長靴を付けて工場へ入ります。持ち込む物をビデオで撮影し、異物混入などを防ぐための置き忘れ防止対策をします。工場入口に品質管理の方がいて、白衣の上から粘着ローラーをかけられ、手の爪、汚れをチェックされ、ブラシで手を洗ってから、アルコール消毒し、エアーシャワーの部屋を通り工場に入ります。
工場は合理的な動線の元、餡を作る部屋、饅頭を作る部屋、洋菓子作業場、箱詰め等々、作業別・製品別に別れており、きれいに管理されていました。掃除が徹底されています。8時間働く中で、6~7時間程度が製造で、1~2時間は朝、昼、休憩後、夕方を含めた片づけ掃除になるそうです。1つの製品に異物が入ってしまったら、たとえ工場としては10万個の製品の中の1つだとしても、購入されるお客様にとっては1つ中の1つですから、それはあってはならないという気持ちで作業をしているそうです。
私たちが見学している時も、粘着ローラーを持った方が作業をしている方の背中をコロコロしており、聞いたところ、1日3回品質管理の方が不定期にまわっているそうです。どんなに気を付けても作業している時、毛等が落ちるかもしれないのでそれを防ぐためだそうです。そこまでするのかと驚きです。餡を煮る窯はとても大きく見せて頂いた物は一回で150kg作れるそうで、餡子の量か小豆の量か聞き忘れましたが、小豆の量だとしたら、今回の私たちの生産量では5回で終わってしまう計算です。
また、工場と言ってもお菓子を製造する過程では、昔ながらの手作業も多く見受けられました。
“吉原殿中”製作現場。テーブルの上で4~5人の方が手作業で作ります。
“水戸の梅”製作現場。 シソの葉に餡を入れているところ。塩漬け、水洗い、味漬け、絞り後の絡まったシソの葉を、破れないように破れや大きさ・裏表を確認しながら茎を切って並べるのは、やはり人でないと難しいそうです。
“水戸の梅”に使う、塩漬けした赤しそを冷水で洗っています。大変そうです。
皇居、成田空港、羽田空港、茨城空港でしか手に入らない、“皇居外苑どら焼き”を箱づめしていました。
本来、工場見学は、製品に何かあるといけないので、2階の博物館から見る以外は、極力やらないようにしているそうです。今回は原料生産者と言う事で特別に許可して頂きました。ありがとうございます。
工場見学の後は、着替えて、“お菓子の博物館”を案内していただきました。
世界の色々なお菓子の説明や、日本のお菓子の歴史等々興味がわきます。
特に、この懐かしの昭和コーナは私の琴線に触れました。
最後に本店店舗で、小栗部長に商品説明を受けたり、お土産を購入し亀印製菓さんを後にしました。
今回、工場見学をさせて頂き、亀印製菓さんは思っていた以上に素晴らしい会社だなあ、と思いました。小栗部長をはじめ社員の方たちの製品に対する思いや、衛生に対する考え方、また社員さん達の活気なども肌で感じることができました。私達の取り組みも理解していただき、焦らず誠実にコツコツと一緒に作っていこうという静かな意気込み、包容力を感じました。私たちも、品質をきちんと保ちながら、常陸太田市在来種を育てていく仲間を増やし、常陸太田の特産品の一つとなり、子どもたちに在来種を残せる様に、また地域を盛り上げていく一つの要因になれればと思いました。生産者の方々と製菓現場を見学でき、やっと最初の小さな一歩を踏み出せた気がしています。
最後に、いろいろ用意や準備をしてもらった、亀印製菓さん、農政部販売流通対策課の方々に感謝いたします。
ありがとうございました。
北山 弘長